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現代の日用品は、未来の展示品。
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こちらは、当時の人たちが飲用していた缶入りチューハイです。蓋を開けると、白ぶどうの心地よい芳香が漂ってきます。そしてこの喉越し・・・あ、もう8時55分か。また、快速に乗り遅れた。学校までは1時間。これを逃すと10時には間に合わない。8時56分。定刻通りにレールの上をうしが走ってくる。ボクはうしに乗るのが苦手だけど、周りのみんなはうしに乗るのが好き。理由を聞けば、決まって速いからと答えるだろう。確かに、うしは快速より速い。でも本当の理由は違うんだ。まあ、今回は仕方が無い。ボクはうしに飛び乗った。早くしないと生存率8割の雪合戦に間に合わない。遅刻したら、二度と参加できないんだっけ、急がないと。でも本当の理由は違うな。なんだ、ボクも同じじゃないか。さて、次の駅で降りるか。うしを止めようとして気がついた。うしに興味の無いふりをしていたボクは、止め方を知らない。六代将軍の名前すら出てこない。あわてて出した財布からはレシートが溢れた。このまま行けば、うしは無機質なコンクリートの壁にぶつかって、潰れて、散って、街を256色に染める。ボクはきっと助かるだろう。うしが軋んだ。嗚呼。その時、始めて、うしになりたい、と思った。望みはすぐに叶えられるんだ。みんながうしに乗りたがる理由は、結局わからずじまいだった。けど、うしが絶滅しない理由だけは、なんとなく察しがついた。
2008.03.11 | Comments(0) | Trackback() | 常設展示品
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